光丸山 法輪寺
平安時代前期にあたる西暦860(貞観二)年(今からおよそ1000年前)に、慈覚大師(天台宗の高僧)の開基と伝えられる由緒あるお寺で、初院・中の院・奥の院の三院と大日堂(光丸山)からなります。
西行桜(市指定文化財)や勅額(ちょくがく)門(市指定文化財)など数多くの文化財を所有しています。
その中の一つ、大天狗面は、高さは2.14メートル、幅1.5メートル、鼻の高さ1.3メートル、重さ1トンで木製の天狗面では日本一といわれています。
また、このお寺は鳥居のある(しかも川の中に)お寺としても知られています。
大田原市(旧湯津上村)佐良土地区にある古寺です。各時代の文献にも数々、その名が散見される、地元の名士的なお寺です。
正式名称は『光丸山並びに正覚山実相院法輪寺』。
現在、那須地域に天台宗寺院はほんわずか。そのような状況下で、平安時代以来、法灯を守り続けているだけでなく、末寺もかかえ、本山(比叡山延暦寺)でも重きをなしている格の高い寺院でもあります。
恐らく、台密(天台宗系密教)のネットワークの中心的な寺院の一つであろうと考えられます(諸説あり)。
明治時代初期のの廃仏毀釈運動により寺院となってますが、長く神仏習合であったため、その形が随所に色濃く残ってます。
現在、推定樹齢800年の『西行桜』の樹勢回復プロジェクトが大きく進行中。
この『西行桜』をはじめ、那須地域には「西行法師」にまつわる話・地名も多く残ってます。この地を訪れば、「西行法師」の行程を追体験した『奥の細道』で有名な松尾芭蕉同様、平安末期~鎌倉初期に想いをはせることができるでしょう。
尚、地元では「こうまるさん」で有名ですが、ナビゲーションシステムだと「法輪寺」で出てくることがありますので、ご注意を。